月降水量は東日本の日本海側と太平洋側でかなり多かった。北日本では、中旬後半以降この時期としては晴れた日が多く、1946年の統計開始以降、6月として1位の高温となった。関東甲信は6月8日に平年より1日遅く梅雨入りした。昨年は空梅雨だったが、今年は梅雨らしい梅雨で、特に6月上旬は高知、奈良と和歌山、三重、愛知、静岡で線状降水帯が発生し、まとまった雨をもたらした。6月の野菜総入荷量は115,977t(前年比101%)で平年をやや下回り、価格266円(100%)は平年をやや上回った。金額は30,890百万円(100%)で平年並み。
だいこんは千葉産が下旬にはほぼ終了。青森産は前進傾向により生育は順調ながらも下旬には降雨の影響と、人参・にんにくの作業と重なり、数量減。瞬間的に引き合いが強い場面もみられたが、末端の売れ行きは悪く総入荷量は前年とほぼ同量ながらも価格は92円(88%)であった。にんじんは北海道産が下旬より開始。千葉中心の入荷で、前月に引続き生育は順調。中旬まではL太物中心の入荷。荷動きは悪くなかったものの、下旬に入りM中心の入荷となり産地の切り替えもあってか相場は下落した。総入荷量は平年並み、月を通して末端の売れ行きは悪かった。価格は140円(前年比91%)は平年並み。
はくさいは上旬にほぼ茨城が終了し、長野・群馬中心の入荷となる。気温の影響で量販店の注文も多くはなかったが、中旬をピークに下旬は端境となり引き合いも徐々に強まっていった。総入荷量は平年よりやや少なく、価格65円(93%)は平年をやや下回る。キャベツは千葉・茨城・群馬中心の入荷となった。月の前半は雨や高温の影響でイタミが多く発生し、荷動きがよくなかった。中旬以降は降雨で生育停滞。絶対量が少なく注文は多くないものの、相場は高騰した。総入荷量は千葉の早めの減少により1割少なく、価格95円(113%)は平年より1割以上高い。ほうれんそうは群馬・茨城・埼玉中心の入荷。月初めは関東産と夏秋山手産地のピークが重なり相場は下落。中旬に入ると群馬高冷地の路地物がほほ終了し、ハウス中心の作柄に移行するが端境気味になり出荷量は減少。加えて大雨により相場は急激に上昇した。総入荷量は平年並み、価格491円(105%)はやや平年を上回る。ねぎは茨城中心の入荷。月を通して生育は順調。太物中心の出荷となるが天候不順により出荷量が安定せず、相場は堅調。下旬に入り天候が安定すると出荷は多くなり相場は下落した。総入荷量は平年並みで、価格437円(101%)は平年を1割上回る。レタスは、長野・群馬産中心の入荷。雨の影響も大きくなく、生育は順調。中旬に出荷のピークを迎え相場は下落、下旬に入ると端境で一時的に数量が落ち着き、また量販店の特売需要により相場は上昇した。総入荷量は平年並みで、価格111円(89%)は平年とほぼ同じ水準。
きゅうりは群馬・埼玉産など関東産は盛期を過ぎて数量収束し、福島産など東北産が増えていく流れ。上旬・中旬過ぎの荒天・低温により数量が減少し一時相場は高騰するが、下旬に入り高値の反動と数量が潤沢に出てきたため相場は下落。総入荷量は平年よりやや少なく、価格286円(130%)は平年より1割近く高い。なす類は産地の切り替えが進む時期だが、荒天による関東産の出遅れ等で月を通し数量は少なかった。一時的に相場が高騰する場面も見られたが、長雨による品質劣化もあり全体的に軟調だった。総入荷量は平年並みで、価格369円(108%)は平年とほぼ同じ水準。トマトは熊本産が終盤、栃木・愛知産はピークを過ぎいずれも小玉傾向となり重量は減少。北海道産への切り替えが進む中、既存産地との価格差を埋められず荷動きの鈍い状態が続いた。下旬には産地の切り替えも進み、相場も上昇した。総入荷量は平年よりやや少なく、価格294円(88%)は平年並み。ピーマンは茨城産中心の出回り。曇天により全体的に不足感がみられる状況が続いたが、下旬になり相場が上昇した。総入荷量は平年よりやや少なく、価格436円(102%)はほぼ平年並み。
ばれいしょ類は静岡・長崎産中心の入荷。長雨による収穫の遅れや品質の劣化により出荷量は減。気温の上昇に伴い、売れ行きは悪かったが、単価は強めで推移した。総入荷量は平年より1割ほど少なく、価格153円(126%)は平年並み。 たまねぎは兵庫・佐賀産中心の入荷。中旬以降は田植え等農繁期と重なり、出荷量が減少。それと同時に引き合いは強まるが、量販・外食等末端の売れ行きが良いわけではなく、相場が大きく上がることはなかった。総入荷量は平年よりやや少なく、価格96円(46%)は平年より1割以上安い。