今回の目的地であるJAふえふき管内では、昼夜の寒暖差が大きく日照時間が長いという青果物がおいしく育つ気候のもとで果物や野菜が栽培されています。特に笛吹市は『もも』の生産量が市町村別で日本一であるなど農業が盛んな地域です。
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休市の前日。朝の競売が終わってすぐ大田市場を発ち、山梨へ向かうべく中央道を進みます。
まず訪れたのは一宮地区。生産者である小池眞彦さんの『もも』の圃場を見せていただきました。
摘果前の「夢みずき」です。たくさん成っていますがこのままの状態で育つと重みで枝がしなり、果実が圧されてしまいます。摘果をすることで実の数が限定され、たくさんの養分が供給されるため食味の良さが引き出されます。
摘果する際は、陽がよく当たる場所の実や、養分が行きやすい場所の実、形の良い実などを残すそうです。1本の木に300~400玉が成りますが、出荷できるのはその半分程度。当地区の「もも」は他産地より平均サイズが大きめな傾向がありますが、それもこの摘果技術が優れているからこそです。
本年は開花が前年比で一週間ほど遅くなりましたが、その後の好天で生育は前年と同程度まで追いついています。着果は良好で、露地「もも」の初荷は6月13日頃の見込みです。(※画像は過去入荷分)
小池さんからは動画メッセージもいただきました!
こちらは小池さんの「ぶどう」圃場。露地ぶどうのシーズンはまだ先で花穂の状態です。先端部を残して上の段は除いていく「房づくり」を行うことできれいな房形となり玉張りも良くなります。「房づくり」の時期は「もも」の作業とも重なり大忙しになるとのこと。
ぶどうのシーズンも待ち遠しいですね。(※画像は過去入荷分)
ご案内いただいたJAふえふき(販売部ならびに一宮西支所)の皆様。
次に訪れたのは境川地区。こちらは生産者である橘田さんの「すもも」の圃場です。
「すもも」は立木仕立てで栽培されることが多いですが、こちらは棚仕立てです。棚仕立てにすることで結実や品質が良くなります。また、脚立に登らずに作業できるため、安全性の確保や労力の軽減にもつながります。
袋掛けされた「すもも」。当地区からは中心品種である「ソルダム」「大石早生」「太陽」のほか、「菅野」「紅りょうぜん」「貴陽」「皇寿」「サマービュート」「サマーエンジェル」など多品種が産出されています。
昨シーズンに採れた特大サイズの「すもも」画像を見せてくれる橘田さん。
本年産は大玉で豊作傾向。「大石早生」は玉張り良くL~M中心。出始めてすぐ、6月12日頃からピークに入る見込みです。一部、「貴陽」では降雪の影響から作柄がやや不良の圃場もあるとのこと。(※画像は過去入荷分)
橘田さん(左)とJAふえふき境川経済支所の玉川さん。「すもも」の動画メッセージをいただきました!
続いて訪れたのは八代地区。「とうもろこし」生産者、矢田さんの圃場です。
当地区では中心となる「ゴールドラッシュ」のほか「きみひめ」が栽培されています。「ゴールドラッシュ」は粒が柔らかく安定的に食味が良い、重量も乗り発芽率も高いことなどから主力品種として選ばれています。
「とうもろこし」は朝採りが基本で、早朝4時頃には収穫するそうです。光合成で生成したエネルギーが糖分に変わり夜間に蓄積されるので、早朝に収穫したものは甘さに優れます。また、朝採りだと房に水分が十分ある状態なので鮮度が保たれるとのこと。
矢田さんとJAふえふき八代支所の皆様。
「とうもろこし」は一株から一果を収穫するのが基本です。一果目の受粉後、二果目が受粉期を迎える頃には雄花の花粉がなくなってしまい、大きく育たないからです。また、一果のみにすることで養分が潤沢に供給され、良食味のものが収穫できます。大きくなる前に摘果されたものは「ベビーコーン」として食べられます。
収穫適期は房より絹糸が出てから20~25日後。房の先端部を触って、絹糸が実から離れてきたら適期だとわかるそうですが、微細な感覚で筆者にはうまく判断できず・・・
矢田さんにも動画メッセージをいただきました!
本年産の作柄は良好で、6月1週~2週がピークとなる見込みです。
従来は2週~3週にピークを迎えていましたが、温暖化の影響もあり前倒し傾向にあるとのことです。(※画像は過去入荷分)
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