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2023年11月27日

2023年7月野菜概況

・実績は青果物情報センターの月別速報値を使用。 
・平年比は過去5ヶ年の平均。単価は加重平均で算出。

前半に九州で線状降水帯が発生。全国の平均気温が約100年間で最高値。

7月25日に九州北部が梅雨明けとなり、気温が急激に上昇した。上旬には西日本や奄美地方で、中旬には東日本で線状降水帯が発生し、北日本でも記録的な大雨の地域があった。10日には福岡県と大分県に大雨特別警報が発表されるなど、各地で河川の氾濫や低地の浸水、土砂災害が発生した。梅雨明け後は最高気温が35℃を上回る地域が全国で続出し、特に北日本では月平均気温平年差が+2.8℃となり、1946年の統計開始以降で7月1位の高温となった。主要品目で入荷数量が1割以上著しく多かったものは無かったが、価格はトマトで1割、キャベツ類で1割以上、里芋で3割上平年を上回った。7月の野菜総入荷量は110,598t(前年比100%)で平年をやや下回り、価格271円(108%)は平年をわずかに上回った。

根菜類

だいこんは北海道・青森産が夜温高く、生育順調、太物傾向であった。下旬にかけて次第に高温の影響が強く表れ、軟腐等の品質低下、また、6月の雨で播種できなかった時期に入り、出荷量は減少。相場の底上げとなった。総入荷量は平年よりやや少なく、価格92円は(66%)は平年を1割以上下回った。にんじんは青森産はおおむね安定的した出荷であり、終盤にかけLM中心の出荷。下旬には北海道産が出揃いM中心となるが、高温の影響で傷みが多発、圃場廃棄も顕著となるなど正規品の入荷は減少。ただ、月を通して売行きは良くなく、月末には相場を下げた。総入荷量は平年より1割少なく、価格146円(87%)は平年より1割近く下回った。

葉物類

はくさいは長野産中心の入荷。酷暑と6月上旬の豪雨の影響により、7月は全般を通し数量が少ない状況。暑さで量販店からの発注が減る一方で流通量も少ないので販売環境としては悪くなく、加工業務については一部漬物業者の動きが良く、発注が増える場面もあった。総入荷量は平年より2割少なく、価格74円(120%)は平年並みであった。キャベツは茨城・千葉産がほぼ終了し、群馬・岩手産中心の入荷。酷暑の影響で月を通し小玉化傾向が続いた。月の初めは群馬・東北産が増加し、関東産も最終盤の出荷があり相場は下落。海の日の連休中には一時的に引合いが強まり相場が上昇する場面もみられたが、需要は多くなく、販売苦戦が続いた。一方、大玉が少なかったことから加工業務は一定の引合いはあった。総入荷量は平年並みで、価格97円(124%)は平年を1割以上上回った。ほうれんそうは上旬半ばに関東平場の産地から準高冷地産に切り替わる。下旬以降酷暑により入荷量が激減し、品質のいいものから相場が急上昇した。その後月末まで高値で引合いの強い状態が続いた。総入荷量は平年をやや下回り、価格640円(101%)は平年並み。ねぎは茨城産中心の出回りで、月後半より北海道・青森産が徐々に増えた。基本的に生育順調な状態が続いたが、暑さの影響でL中心の入荷で2Lは少なく細め中心の出回りとなった。下旬の連休以降は夏休みに入り需要も低下、荷動きが悪く、相場は下がった。総入荷量は平年並みで、価格335円(91%)は平年を1割下回る。レタスは長野産中心の出回り。上旬に降雹があり、また、干ばつ傾向で中旬以降は数量が少ない状況が続いた。降雹直後は相場が一時的に上がったが、下旬は高温の影響で売行きは悪かった。総入荷量は平年をわずかに上回り、価格100円(116%)は平年を1割下回る。

果菜類

きゅうりは、福島中心の入荷で、中旬以降に宮城・岩手産が増加した。上旬は関東産が日々減少する中、東北産はそれほど増加せず全体量は少なかったが、前月からの高値傾向により荷動きは良くなかった。中旬は各産地生育順調で、徐々に入荷量も増えたが、連休中の豪雨により岩手・山形産は一時的に微減となった。下旬は天候回復し、各産地ピークを迎えたが、荷動きはよかった。総入荷量、価格297円(108%)ともに平年並み。なす類は群馬産中心の入荷で下旬以降栃木・茨城産が増加した。上旬は生育順調で相場は下がるも順調な販売環境となった。中旬以降は極端な高温が続き、全体的な入荷量は少なくなった。ただ、品質も安定せず、荷動きも良くなかった。総入荷量は平年をやや上回り、価格338円(111%)は平年をやや下回る。トマトは上旬で栃木産がほぼ終了、中旬は入れ替わるように北海道産が急激に増える。青森産は中旬以降少しずつ増え始める。全体的な数量の不足感もあり、月を通し荷動きは良く、総入荷量は平年を1割下回り、価格374円(114%)は平年を1割上回る。ピーマンは茨城産が終盤となり漸減、中旬過ぎに岩手産、下旬に福島産が漸増。降雨の影響による入荷量の増減により週ごとに引合いが強まったり弱まったりを繰り返した。月全体を通すと、下旬にかけ相場は少しずつ上昇傾向にあった。総入荷量は平年をやや上回り、価格497円(119%)も平年をやや上回る。

土物類

ばれいしょ類は長崎産が前年同様に上旬で終了。中旬には静岡も終盤で出荷減少となり、北海道産がスタートするが、天候不順により出荷数量が安定せず。下旬は気温が高く売行きは良くないが、全体量が少ないため発注量の多い階級が出てきた。総入荷量は平年を1割以上下回り、価格175円(179%)は平年をやや上回る。たまねぎは上旬は佐賀・香川・兵庫の出荷構成。大玉傾向であったが、特に佐賀産は豪雨や選果機の故障により下旬まで不安定な出荷が続いた。中旬は数量の減少、L・M玉の引合いが強く、相場が上昇した。下旬には北海道産がスタートしたが、大玉の発生比率が急激に少なくなり、今度は2Lの相場が上昇した。総入荷量は平年を1割下回り、価格123円(76%)は平年並み。

文責 東京青果営業管理部 業務2課

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