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2023年11月27日

2023年8月野菜概況

・実績は青果物情報センターの月別速報値を使用。 
・平年比は過去5ヶ年の平均。単価は加重平均で算出。

北~西日本の気温は平年を上回り、各地で記録的な猛暑となった。

北日本・東日本ともに1946年の統計開始以降、8月として1位の高温となった。北・東日本を中心に高気圧に覆われて晴れた日が多く、月間日照時間は北・東日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側で多かった。また、月降水量は台風の影響のあった東・西日本太平洋側以外は少なかった。全国的な猛暑により果菜類は顕著な前進化傾向がみられ、特に東北・北海道が主要産地となる品目はイタミや小玉化により出荷量は少なかった。8月の野菜総入荷量は110,988t(前年比98%)で平年をやや下回り、価格272円(105%)は平年並みだった。

根菜類

だいこんは北海道・青森産が圃場での気温が高く、軟腐・横縞などの高温障害も出て出荷量は伸びず。大きな相場の崩れは無かったが、荷動きはさほど良くなかった。総入荷量は平年より2割近く少なく、価格109円(79%)は平年並み。にんじんは北海道産中心の入荷。高温のため圃場廃棄が顕著で、月を通し入荷量は少なく不足感が続いた。発生もM中心で、相場は比較的堅調に推移した。総入荷量は平年より2割以上少なく、価格153円(106%)は平年を1割以上上回った。

葉物類

はくさいは長野産中心の入荷。月の前半は高温干ばつの影響で、生育が止まり少ない入荷量となった。盆明け後半は台風や適度な降雨により若干数量は増えたが、高温によりイタミが多く見られた。流通量が少ないため相場を堅持しつつの販売が続いたが、猛暑により売行きは悪く、最終週には相場を下げた。総入荷量は平年より1割少なく、価格83円(140%)は平年を2割以上下回った。キャベツは中心産地である群馬産は上・中旬で適度な降雨があり、順調な出荷。長野産は干ばつと、中旬に発生した雹害の影響で出荷量は減少した。岩手産は上旬過ぎ頃から数量が増え始めた。盆明け下旬には各産地作業再開する生産者も増え、数量は増加したが、猛暑により売行きは悪く、販売苦戦した。総入荷量は平年よりわずかに少なく、価格78円(114%)は平年を2割以上下回った。ほうれんそうは茨城・群馬・岩手・栃木産ともに猛暑の影響でかなり少ない入荷となった。売行きは良くないが、数量回復の見込みが立たず、不足感の強いまま相場は高止まりした状態が月を通し続いた。総入荷量は平年より1割近く少なく、価格888円(104%)は平年をやや上回った。ねぎは茨城・北海道・千葉・青森中心の入荷。上旬は順調な入荷だったが、中旬~盆明けは生産者の持ち込みが減り、入荷量も減少。引合いも強く、一時的に相場が上がった。下旬は一転して干ばつによる数量増加で相場を下げつつの販売となった。総入荷量は平年より1割近く少なく、価格360円(89%)は平年をやや上回った。レタスは長野産中心の入荷。豪雨や降雹もあったが、基本的に干ばつ傾向で上旬~中旬過ぎまでは大きな入荷量の変動はなく、まったりとした荷動き。盆休前と月末に注文が多くなり、そのタイミングで相場を上げた。総入荷量は平年並みで、価格114円(102%)は平年より2割以上下回った。

果菜類

きゅうりは岩手・山形・福島の東北中心の入荷。上旬は気温の急激な上昇により入荷量は減少。盆休前は天候良好で各産地増加しピークを迎えたが、正品率が低下した。月後半は山形・福島で露地作終盤となり、全体量が減少。各産地暑さにより樹勢が弱く、さらに正品率が低下。全等級で不足感が出、月末にかけ相場は上昇していった。総入荷量、価格317円(112%)ともに平年並み。なす類は群馬ほか関東産中心の出回り。月を通し散発的な降雨はあるものの、基本的に干ばつ傾向で数量の読めない中での販売となった。週末の需要のみ強く、特に盆休明け以降は高温による生育遅れ・花落ちの不足感から、高い基調での相場展開となった。総入荷量、価格309円(114%)ともに平年並み。トマトは北海道・青森産中心の入荷。盆前までは全体的に微増傾向で相場も徐々に安くなったが、盆明け以降は高温による前進化が顕著にみられ、段替わり・小玉化から引合いが強くなった。総入荷量、価格347円(87%)ともに平年並み。ピーマンは福島・岩手中心の入荷。上旬は干ばつによる圃場廃棄が多く、入荷量は減少。盆前には引合いが強まった。盆明け後もしばらくは引合いの強い状態が続いたが、下旬に入ると岩手県北地域は適度な降雨で出荷量がピークを迎えた。その一方で、福島・岩手県南は成り疲れで出荷は減少した。総入荷量は平年並みで、価格474円(119%)は平年を1割上回った。

土物類

ばれいしょ類は北海道産中心の入荷。下旬にかけ出荷は順調に進んだが、小玉傾向で、また、高温による品イタミが非常に多く、相場は下落した。総入荷量は平年をわずかに下回り、価格153円(108%)は1割近く上回った。たまねぎは佐賀・兵庫産が盆前でほぼ終了、北海道産に移行後は安定した出荷が続いた。ただし下旬には高温により生育が止まり、大玉の出荷が減少し、小玉のみ相場が下落した。また、他の品目同様イタミも散見された。総入荷量は平年を1割近く下回り、価格111円(81%)は平年並み。

文責 東京青果営業管理部 業務2課

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