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2023年11月27日

2023年9月野菜概況

・実績は青果物情報センターの月別速報値を使用。 
・平年比は過去5ヶ年の平均。単価は加重平均で算出。

気温は全国的にかなり高く、東・西日本では記録的に高かった。

9月は1946年の統計開始以降、9月として東・西日本では1位の記録的な高温となった。8日~9日には台風13号により千葉県茂原市付近が冠水、ねぎややまといもの入荷に影響が出た。全国的な高温・干ばつのため前進化が進み、一部高冷地野菜を除いて各品目入荷数量は少なかった。また、品質の低下も顕著で、特に東北産地の果菜類では樹勢への影響が懸念された。こうした状況によりほとんどの品目で平年を上回る相場となり、特ににんじん、ピーマン、ねぎは平年を大きく上回った。9月の野菜総入荷量は110,691t(前年比92%)で平年をやや下回り、価格309円(117%)は平年を1割以上上回った。

根菜類

だいこんは北海道・青森産が中心の入荷。高温・干ばつのため入荷数量は少なめで推移し、軟腐も散見された。下旬には気温も下がりS・Mの比率が高くなったが、相場は下旬まで高い状態が続いた。総入荷量は平年より2割以上少なく、価格152円(106%)は平年より3割以上高かった。にんじんは北海道が中心の入荷で、本来なら給食等で太物需要のあるところだが、月を通しM中心の発生。月前半は豪雨の影響で出荷量が減少していたが、下旬に入ると気温は落ち着き、入荷も増えLの発生比率も多くなった。相場の高い状況が続いていたため、下旬はその反動が顕著に出て、下げに転じた。総入荷量は平年より2割少なく、価格226円(108%)は平年を5割以上上回った。

葉物類

はくさいは長野産中心の入荷。上旬は干ばつ傾向で数量は少なかったが、中旬ごろの台風で高冷産地の干ばつが解消、準高冷地の秋作も始まり数量は増加した。それに伴い相場も下落したが、月末にはやや持ち直した。総入荷量は平年より平年より1割近く少なく、価格92円(109%)は平年を1割以上下回った。キャベツは上旬に群馬・長野・岩手で出荷調整が入り、数量が減少。不足感が広がり相場は上昇した。中旬には出荷調整は解除されたが、岩手のみ数量が少ない状態が続いた。基本的に生育は順調で数量は増えたが、引合いも一定数あり、荷動きは悪くなかった。総入荷量は平年をやや下回り、価格90円(124%)は平年をわずかに下回った。ほうれんそうは上旬は依然猛暑のため数量が少ない。中・下旬になると群馬平場など秋冬メインの産地が入り、数量もようやく増え始めた。月を通し需要を満たす入荷量ではなかったので、相場は高い状態を維持した。総入荷量は平年を2割以上下回り、価格1,045円(134%)は平年を2割以上上回った。ねぎは北海道・青森中心の入荷。前月末は高温・干ばつの影響で数量が少なかったが、9月も降雨や稲刈り作業により月を通し入荷が少ない状態が続いた。引合いもあり、相場は高い状態を維持し続けた。総入荷量は平年を1割以上下回り、価格517円(136%)は平年を4割以上上回った。レタスは長野産中心の入荷。高温により前進出荷が続き、月を通し数量が少なかった。敬老の日連休明けに一旦数量が増え相場も下がるが、下旬にまた少なくなり相場は上昇した。後続産地である茨城は5~10日程度遅れ、数量も少なかった。総入荷量は平年をやや上回り、価格164円(106%)は平年並み。

果菜類

きゅうりは宮城・群馬産中心の入荷。福島産は例年より早く露地作が終盤を迎え、数量は日々減少。宮城産もなり疲れのため生育は悪く、入荷量は低い水準で推移した。群馬産は抑制作への切り替えのため、数量は少しずつ増えたが、下旬には急激な気温低下で数量は伸び悩んだ。総入荷量、価格347円(122%)ともに平年並み。なす類は群馬・茨城産など関東産中心の入荷。降雨による湿気と気温低下で品質不良が散見され、数量も減少傾向が続いた。相場は月前半は堅調に推移したが、後半は品質低下と高値への反動から売れ行きが悪くなった。総入荷量、価格374円(130%)ともに平年並み。トマトは北海道・青森産中心の入荷。高温の影響で極端に前進化しており、生育不良、小玉化が顕著にみられた。特に中旬以降は急激な気温の低下により着色のスピードが落ち、収穫できない状態が続いた。関東抑制産地も品質不良で数量も少なかった。結果として、数量は少なく品質も良くない、ただし引合いが割と強いため、価格が高騰した。総入荷量は平年より平年を1割以上下回り、価格609円(130%)は平年を3割以上上回った。ピーマンは岩手・福島産中心の入荷。干ばつや高温障害から数量はかなり少なく、月初の量販店特売等から引合いが強かった。茨城産の秋作についても平年に比べ少ない入荷であった。総入荷量は平年を1割下回り、価格582円(172%)は平年を4割以上上回った。

土物類

ばれいしょ類は北海道中心の入荷。発芽・イタミが多く、数量少なめの入荷が続いた。中旬過ぎまでは給食需要等で大玉の引合いが強かったが、下旬にかけ売れ行きは悪くなった。総入荷量、価格134円(94%)ともに平年並み。たまねぎは北海道・佐賀産中心の入荷。他の野菜の不足感により、月初から一気に引合いが強まった。下旬にかけ出荷量が当初計画より少しずつ少なくなっていった。総入荷量は平年並み、価格105円(90%)は平年をやや上回った。

文責 東京青果営業管理部 業務2課

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