9月の気温は7~8月に続いて暑さが、続き平年並みから高くなる。台風の発生は海面水温が下がったため少なくなった。降水量は平年より多いものの残暑は厳しく、彼岸が明けても日中は暑い日が続き、東・西日本では統計開始以降9月として1位の記録的な高温となった。
果実全体の入荷量は前年比89%、価格584円(前年比116%)。販売は夏果実から秋果実の販売に変わるものの、気温が高いため夏果実に引合いが集まった。もも類・すいか類・日本なし類から柿黄色・オレンジ色と暖色系の果実と秋果実が多くなり、ぶどう類は露地物が最盛期に入った。みかんの入荷量は前年より多く、柿類も前年より多い。前進出荷が続いたことで全体量は前年より少なく、価格は5ヵ年で最も高かった。
みかん類は、入荷123%、価格310円(98%)。ハウスみかんが終了となり、『グリーンハウスみかん』も上旬で切り上がった。極早生みかんは中旬から宮崎産が始まり、続いて佐賀・熊本・福岡・和歌山産も始まった。本年度の着果状況は良く、平年に比べ小玉が高め。気温高から出始めの着色は遅れがみられた。
りんご類は、入荷76%、価格376円(135%)。貯蔵物の販売が終わり、長野産「シナノリップ」、岩手産「紅ロマン」の販売が始まる。中旬からは「サンつがる」の販売に切り替わる。気温が高いため着色遅れ、また日焼け果も多く、入荷量は少なかった。
日本なし類は、入荷79%、価格405円(121%)。「豊水」中心の販売となる。気温が高い日が続いたことで品質がやや劣り荷動きは若干鈍くなったものの、気温が高く引合いは強く荷動きも良かった。「あきづき」が出荷開始になると、茨城・千葉産は品種のリレー販売となったが、入荷量は多くない。下旬からは栃木産「にっこり」の販売に入った。
かき類は、入荷102%、価格400円(104%)。上旬は奈良・和歌山産のハウス物の販売が進み、上中旬より和歌山産たねなし柿の販売が始まった。天候が良く前年に比べやや早い出荷開始で、気温が高いため着色は遅れたが、平年以上の色回りとなる。例年、出荷開始時に軟果玉の発生で荷動きが鈍くなるが、本年は軟化玉の発生が少なかったため荷動きは良かった。
もも類は、入荷76%、価格691円(120%)。山梨産の出荷は終盤となり、福島・山形産が中心となる。晩生種のため中心となる品種はなく、もも類全体での販売となった。気温が高い影響からか、夏果実と同様にもも類も引合いが強く、価格は高値維持となった。
ぶどう類は、入荷106%、価格1,507円(102%)。天候が良く気温が高いためやや前進出荷となっており平年に比べ9月の販売数量は少なくなっている。デラウエアは山形産となるが中旬から減少。黒系ぶどうは改植が進み生産面積が減少となり出荷量も少なくシャインマスカットの出荷量がぶどう全体の半分を占める。
くりは、入荷92%、価格798円(93%)。熊本産の販売が始まり、茨城産が続いた。本年度は肥大時に雨量が少なかったため、肥大が弱く小玉傾向。着果量は多いものの、出荷量はあまり多くない。販売は平年通り茨城産が中心となる。引合いは業務・加工業務において若干強い。
メロン類は、入荷108%、価格608円(102%)。山形産「クインシーメロン」「アンデスメロン」は終盤となり、北海道産「赤肉メロン」青森産「青肉メロン」の販売が進む。「アールスメロン」は気温が高いため品質低下が見られ、彼岸需要時には高値となった。