12月は、この時期にしてはかなり温暖で、東京都では最高気温が20度を超える日もあった。17日以降は冬型の気圧配置が強まり、全国的に気温が平年を下回る日が多かった。中旬は全国的に気温・降水量ともに平年を上回り、葉物野菜を中心に前進化、潤沢な入荷量となった。下旬は冬本来の寒さが戻り、一部果菜類を除いては年末需要により引合いが強まった。12月の野菜総入荷量は120,678t(前年比96%)で平年をやや下回り、価格257円(108%)は平年を1割上回った。
だいこんは、千葉・神奈川中心の出回り。生育は順調で当初は2L中心の入荷だったが、次第に3Lの比率も増えていった。総入荷量は平年並み、価格70円(105%)は平年を1割以上上回った。にんじんは、千葉・埼玉産中心の出回り。トマト等他の品目の作業を終わらせた生産者がにんじんの収穫作業に移ったため、月初より出荷量は増加。2L~L中心の安定的な出回りで、年末に向け引合いは徐々に強まった。総入荷量は平年をわずかに下回り、価格138円(117%)は平年を2割近く上回った。
はくさいは、茨城産中心の出回り。月を通して出荷量は潤沢だったが、春の作業や頭縛り等の作業により、日によっては増減の激しい出荷量となった。また、中旬以降は概ね日中の気温が高く、荷動きは鈍かった。総入荷量は平年をわずかに下回り、価格44円(105%)は平年を1割上回った。キャベツは、千葉・愛知産中心の出回り。上旬は寒さの影響で出荷量は落ち着いたが、荷動きは鈍かった。中旬以降は降雨と気温高により前進化し、荷動きは一層鈍くなった。ただ、外郭市場等で引合いがあり、相場は堅調に推移した。総入荷量は平年並み、価格79円(115%)は平年を2割上回った。ほうれんそうは、群馬・茨城・埼玉等関東秋冬産地中心の入荷。適度な降雨と気温高により個選物中心に潤沢な出荷が続いた。下旬は寒波によりようやく数量が落ち着くものの、荷動きは鈍くなった。総入荷量は平年比1割以上となり、価格425円(94%)は平年を1割下回った。ねぎは、茨城・埼玉・千葉産中心の入荷。生育は順調でL・M中心の入荷。荷動きは鈍く、相場を下げつつの販売となったが、最終週は需要の高まりを受けると一転して相場が上がった。総入荷量は平年をやや下回り、価格372円(128%)は平年を2割以上上回った。レタスは、茨城産から香川・兵庫・静岡産へと移行する。上旬は茨城産が少なくなる中、西南暖地産も増えず相場は堅調だった。中旬以降は適度な降雨と高温により入荷量は増加したが、荷動きは良く、相場の大きな変動はなかった。下旬は寒波の影響で不安定な入荷となった。総入荷量は平年を2割近く下回り、価格220円(132%)は平年を3割上回った。
きゅうりは、宮崎・高知・千葉・埼玉中心の出回り。月前半は九州産は天候良好のため入荷量は潤沢、逆に関東は曇天で入荷量は少なかったが、下旬まで荷動きは今一つだった。しかし徐々に相場は上昇し、年末需要で月末は急激に高騰した。総入荷量は平年並み、価格442円(89%)も平年並みだった。なす類は、高知・福岡(長なす)中心の出回り。下旬までは各産地暖冬傾向により入荷量は多く、荷動きの鈍い状態が続いた。その後は気温も低下し入荷量も落ち着いたが、売行きは改善せず、相場が浮上することはなかった。総入荷量は平年をやや上回り、価格424円(104%)は平年をやや下回った。トマトは、愛知・熊本中心の出回り。平年に比べ気温が高く着果良好、着色も進み各産地安定した出荷が続いた。比較的堅調な相場展開が続いたため、荷動きは今一つ。下旬にかけては年末需要もあり荷動きは回復したが、急激な相場の上昇にはならなかった。総入荷量は平年並み、価格415円(101%)は平年をやや上回った。ピーマンは、茨城・宮崎・高知産中心の出回り。茨城の秋作は終盤を迎え徐々に減少、それに代わるように下旬には西南暖地産がピークとなった。上旬は宮崎・高知ともに成り疲れで減少傾向となり、荷動きも改善したが、年末は数量も増え、再び荷動きが鈍くなった。総入荷量は平年をやや上回り、価格403円(83%)は平年並みだった。
ばれいしょ類は、北海道・長崎産中心の入荷。前月に引続き、北海道産は発芽原料が多く出荷のペースが上がらず少量安定の出回りとなった。長崎産は選果機の不調で一時的に出荷が滞るも、生育は概ね良好であった。年末の発注量はまずまずだったが、年末直前までは荷動きは鈍かった。総入荷量は平年をやや下回り、価格119円(98%)は平年を1割下回った。たまねぎは、北海道産中心の入荷。一部佐賀産の新たまねぎや、静岡産の葉付きたまねぎの出回りも始まる。北海道産は引続き数量少なく小玉傾向で、高値基調のため荷動きは鈍かったが、下旬には年末需要で引合いは強まった。総入荷量は平年を2割以上下回り、価格192円(178%)は平年を7割上回った。