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2022年2月1日

2021年の動き<果実編>

東京都中央卸売市場2021年果実取扱実績(速報値)は、数量402,476t(103%)、金額187,956百万円(104%)、単価467円(100%)。1月、みかん類は、静岡産が雹害を受けた前年比4割増に加え、各産地の早生みかんが年明けまで在庫が残り、価格は平年比大幅安。2月以降はかんきつ類が寒波の影響で数量減も、みかん類の販売は好調だった。1月7日から3月21日まで緊急事態宣言が再度発令され、業務の需要低迷が続くが、いちご類は、洋菓子の需要があり、メロンは前年よりも販売は回復した。りんご類の貯蔵物は、終盤まで在庫が少なかった前年以上の入荷、単価安で推移した。4月以降、各品種の生育は早く、前進出荷が目立つ中、すいか・メロンもピークに入り、 4月総体量は過去5ヵ年の中でもっとも多い入荷となった。5月にはハウスみかん・おうとうは前進傾向から数量大幅に増加も、「母の日」ギフトの販売は好調だった。6月に入るとおうとうは山形産露地物が低温障害の影響で減少し、中元ギフトの対応は厳しくなった。本年度は梅雨明けが早いため、7月のすいかの荷動きは良好だった。8月は、各品種順調で前進出荷が続いた影響から、上旬に多くの品種が出荷ピークを迎え、旧盆需要時に桃・梨は品不足に。旧盆以降は曇雨が続き、感染者増加も受けて消費は低迷した。9月は極早生みかんは各産地順調な生育状況が続き、中旬よりピーク。りんごも早生ふじが販売の中心となり早生種主体に多かったが、開花時の低温障害により晩生種に移行すると生産量少なく、平年を下回る。柿類についてもたねなし柿は大幅な前進出荷で11月上旬には数量減。富有柿も干ばつの影響から小玉傾向で減少。生果の切り上がりは早く、冷蔵物も少なかった。いちご類は前進出荷から気温低下による生育停滞で旬を追うごとに数量は減少し、クリスマス最需要期に不足感が出た。果実総体では前年の緊急事態宣言による業務低迷から多少の回復は見られたものの、10~12月は主要アイテム作柄の影響が強く、過去5ヵ年でもっとも入荷量が少なく、価格は高い結果となった。

月ごとの概況

各月のまとめを掲載しています。
品目別の詳細な状況はpdfファイルをご覧ください。また、参考資料として主要品目の月別実績(入荷数量・価格)表もございます。

品目別販売状況(月別)一覧へ
主要品目 月別実績へ

1月 全国の気温は上旬低く、下旬高め。東日本日本海側は記録的大雪となった。

1月の気温は上旬に平均気温を下回る寒い日が続き、太平洋側は干ばつ傾向だったが、下旬になると気温は3月並まで上昇する日があり、待望の雨が降った。
果実全体の入荷量は前年比107%、価格448円(前年比98%)。みかん類・りんご類・いちご類は不作だった前年を上回る量から販売苦戦。新型コロナウイルス感染拡大により1月7日より再度緊急事態宣言が発令され業務需要は低迷が続く。

1月品目別概況(PDFファイル:170KB)

2月 全国的に気温高。東日本太平洋側・西日本日本海側は記録的多照。

2月4日、関東地方で過去最も早い「春一番」が吹き、20日には北陸・中国・九州北部・四国でも吹いた。各地寒さも緩み始め、気温は上昇。東京都心では5月上旬の気温を記録する日もあったが日本海側は寒波の影響で吹雪となった。
果実全体の入荷量は前年比107%、価格468円(前年比95%)。みかん類やりんご類の入荷が前年に比べ多く、いちご類は2月上旬から2番果のピークを迎え潤沢な出回り。また気温が高く日射量もあり果菜類の生育は順調に進む。コロナ禍で外食需要は伸び悩み、感染拡大の影響の出始めた前年同月に比べ、若干安の結果となった。

2月品目別概況(PDFファイル:168KB)

3月 北・東・西日本は記録的気温高。太平洋側は降水量が多く、西日本日本海側は多照。

3月の天候は平年並みに晴天に恵まれ、気温高で推移した。東京の桜の開花は3月14日と過去最速、各地の開花も早かった。1月から続いた緊急事態宣言もようやく3月21日に解除されたが、販売環境に依然変化は見られない。
果実全体の入荷量は前年比106%、価格509円(前年比99%)。生育順調から長崎産「ハウスびわ」・宮崎産「マンゴー」の出荷が始まり、品質維持のためのりんご・晩柑類の前進出荷が進む。価格はほぼ前年並みの結果となった。

3月品目別概況(PDFファイル:160KB)

4月 北日本の降水量はかなり多いが、全国的に日照時間は多く、気温高で推移した。

各地で気温が高く天候が良いことから桜の開花が進み、上旬に満開になるところも多く、またスギ花粉の飛散も早かった。
果実全体の入荷量は前年比119%、価格467円(前年比93%)。りんご・かんきつ類の出荷は品質重視で進む中、ハウス物(みかん・ぶどう・桃)の出荷が前年より少し早く、下旬にかけて始まる。いちごは気温上昇とともに荷動きは鈍くなるものの、入荷量は多かった。果菜類においては前進出荷が影響し、上旬は少なく、中旬から増量した。結果、4月の入荷量は過去5ヵ年でもっとも多くなった。

4月品目別概況(PDFファイル:177KB)

5月 西日本の降水量はかなり多く、北・東日本日本海側の日照時間はかなり少なかった。

5月は平年に比べ気温は高く晴れの日が多く、過ごしやすい日が続いたが、中旬以降は曇雨天が続き、九州産地を始め四国・西日本・近畿・東海地方は平年より早い梅雨入りとなった。
果実全体の入荷量は前年比108%、価格454円(前年比96%)。5月に入ると中晩柑類・いちご類が減少し、西瓜・メロンや、季節先取りするハウス物の品種が日々に増量した。りんごは「有袋ふじ」の販売に切り替わり、大幅減だった前年に比べ平年並みの貯蔵量で潤沢な出回り。

5月品目別概況(PDFファイル:178KB)

6月 全国的に気温が高く、北・東・西日本では、降水量が少なく日照時間が多かった。

西日本・四国・九州地方は梅雨入りが平年より早かったが、西日本では6月に入ると降水量は少なく、関東以北は中旬と平年に比べ1週間遅く入梅した。
果実全体の入荷量は前年比100%、価格501円(前年比95%)とほぼ前年並みで推移した。6月の販売中心となるすいか類は気温高と空梅雨から引合いは強く、荷動きは平年に比べて良好。おうとうは山形産の4月の低温被害から少なかった前年よりさらに下回る入荷から、前年より前進傾向にある桃・すももの出荷が始まり、増量が緩やかだったことから荷動きは鈍くなかった。

6月品目別概況(PDFファイル:185KB)

7月 北日本は気温高で少雨も、東日本太平洋側は降水量が多かった。

12日にかけて関東南部や東海を中心に雨が長く降り続き、神奈川県熱海市では土石流が発生。7日には島根・鳥取県、10日には鹿児島県で線状降水帯により非常に強い雨が降った。一転して、中旬以降は北日本を中心に晴れの日が多く、気温高、降水量はかなり少なかった。関東の梅雨明けは平年に比べ16日早く、日々気温は30度以上に上昇した。
果実全体の入荷量は前年比114%、価格497円(前年比103%)。ギフト関係でハウスみかん・桃の引合いは強く、早い梅雨明けから真夏日が続き、すいかの荷動きは今まで以上によかった。23日より東京オリンピックが開催したが、需要については、緊急事態宣言下も相まって変化は見られなかった。

7月品目別概況(PDFファイル:198KB)

8月 西日本は降水量が記録的に多く、気温低下。北日本日本海側では少雨。

平年より早く梅雨明けを迎え、8月に入ると関東・東日本では猛暑日が続く。台風9号の発生や線状降水帯の停滞による豪雨で日本各地被害に見舞われた。また、新型コロナウイルスの変異株による感染拡大を受けて、緊急事態宣言下、無観客で東京オリンピックが開催され、メダルラッシュで盛り上がりを見せたものの、旧盆明け東京都の感染者は1日に5,000人を超えた。
果実全体の入荷量は前年比109%、価格546円(前年比98%)。各品種の生育は前進傾向だったことから、8月上旬に多くの品種が出荷ピークを迎えたため、旧盆需要に対して桃・梨は品不足となった。また、旧盆以降の曇雨天により消費が低迷し、旧盆明けの取引は活気がなく、下旬からも果実全体の動きは鈍化した。

8月品目別概況(PDFファイル:204KB)

9月 北日本日本海側は多照、少雨。東日本太平洋側と西日本は寡照だった。

9月の天候は平年同様曇雨天の日が多く、気温は平年より高いものの、残暑から涼しくなるまでの期間が短かった。中旬に台風14号が九州北部から四国・近畿、太平洋へと抜けて温帯低気圧に変わった。「お彼岸」以降は気温も下がらず、暑い日が続いた。
果実全体の入荷量は前年比114%、価格523円(前年比91%)。上旬は本年産の「極早生みかん」の販売が始まり、「西村早生柿」「たねなし柿」は前年より若干早く始まった。「ぶどう」は露地物のシーズンに入り、出荷量は多いものの、前進出荷と気温高が続いた影響で着色遅れが目立ち、平年程多くはない。りんごは「サンつがる」中心の販売が進み、順次「極早生系」の出荷が始まった。桃の入荷量は少なく、梨は上中旬に「豊水」、中旬以降には「あきづき」へと変わった。各品目、前年並み~上回る入荷となり、価格安に転じるも、みかん類以外は平年比高。

9月品目別概況(PDFファイル:193KB)

10月 全国的に月の前半は高温、後半は低温。北日本日本海側は多雨、西日本は多照。

「暑さ寒さは彼岸まで」というが、10月は広範囲で暑さは残り、朝晩と日中の気温差は大きくスッキリしない天候が続いた。季節はゆっくりと進んでいたが、下旬には気温は急激に低下して12月並みの気温を記録した。
全体入荷量は前年比89%、価格394円(前年比105%)。「みかん」は各産地順調な生育状況が続き、「極早生みかん」が中旬よりピークに入り前年より増えた。「りんご」は「早生ふじ」が中心となり、早生種全体が多くなる。「柿」は前進出荷が続き、「たねなし柿」中心だが、「早生富有柿」「次郎柿」の販売も中旬から始まった。今年度の「いちご」は静岡産に引続き、栃木産の販売が始まり、西洋梨については下旬に山形産「ラ・フランス」の販売が始まった。

10月品目別概況(PDFファイル:175KB)

11月 北日本でかなりの気温高、北日本・東日本日本海側と西日本太平洋側で多雨。

11月の始まりは寒気の影響が残り朝晩は冷え込んだが、気温は平年並みに推移した。11月7日は暦上「立冬」、街路樹も色づき始めるところも多くなり、関東平野部は中下旬から紅葉が始まった。
果実全体の入荷量は前年比96%、価格380円(110%)。果実販売の中心は「みかん」「りんご」「柿」となるが、「いちご」「西洋梨」の出荷も多くなる。「柿」は「たねなし柿」が前進出荷によって平年より少なく、「富有柿」中心の販売になる。「西洋梨」は「ラ・フランス」中心の入荷で「ル レクチェ」は前年に比べ早く下旬から販売開始となる。「いちご」は日を追うごとに入荷量は増えるが、冷え込みによる生育の遅れが顕著になった。

11月品目別概況(PDFファイル:173KB)

12月 寒暖の変動が大きく、日本海側を中心に大雪。西日本太平洋側は多照だった。

12月は比較的晴れの日が多いが、気温は旬を追うごとに平年よりやや低くなった。降水量は平年並みから若干少ないものの、西~東日本の日本海側と北日本は寒波により雪の降る日が多く、中下旬から一気に気温が下がると、北九州も雪が降った。
果実全体の入荷量は前年比92%、価格461円(107%)。12月の販売の中心となるみかんはほぼ前年並み、いちごは・りんご・いちごであるが、みかん・いちごは前年並みの入荷量だが、りんごは前年に比べ少ない。また、柿の入荷量も前年に比べ少なく、生果の切り上がりも早くなった。西洋梨においても、中下旬以降は減少傾向に入る。上旬はギフト需要があるものの、荷動きは鈍く、中旬から引合いが出始めた。

12月品目別概況(PDFファイル:177KB)

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■品目別販売状況(月別)一覧

クリックすると、その月の品目ごとの概況をご覧いただけます。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月

■主要品目 月別実績

主要品目の月別実績(入荷数量・価格)および前年対比・平年対比一覧です。画像をクリックするとPDFファイル(157KB)が開きます。

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特徴的だった品目

クリックすると、その月の品目ごとの概況をご覧いただけます。

りんご類 かき類 おうとう類 いちご類

りんご類

2020年度産青森県産貯蔵りんごは豊作基調で前年比130%の入荷となり、下等級も含んだ豊富な貯蔵量で前年比7割の単価安となった。8月からは2021年度産早生りんごの入荷が開始したが、春先の低温・雹害の影響で出荷減となった。また、中生種・晩成種に至っても影響が色濃く残り、全体的に小玉・サビ果の比率が高く、各地出荷は前年比2~3割減少した。大玉比率・上等級の割合が低いことから単価も跳ね上がり、前年比3割高で推移した。

かき類

2021年産かき類は、短い残暑から前年と違い着色先行の仕上がり。9月上旬には「西村早生」、和歌山産「刀根早生柿」の入荷が思いのほか早く、総体では前年を大幅に上回る量が入荷で価格安となった。10月には「富有柿」の入荷も始まり、台風等の影響もなく潤沢な入荷。一方で、愛知産「次郎柿」、新潟産「平核無柿」は春先の低温被害により、前年比減の入荷となった。11月は「たねなし柿」については前進化から上旬にはほぼ切り上がり、「富有柿」の主力販売に切り替わるものの、奈良産は天候不良、岐阜産は炭疽病の影響から不足感が目立った。12月は「富有柿」は生果から冷蔵物へと切り替わったが、肥大期の干ばつを受け小玉の仕上がり、前年に比べ入荷は減少したため、価格は前年に比べ基調高の展開。

おうとう類

2021年産おうとうは、開花から生育期間の温度が高く、5月までは出荷前進し、「母の日」需要期にハウス物のピークを迎え、6月上旬まで前年を上回る入荷量となった。しかし、4月中旬に山形では低温障害が発生したことで、6月の露地物の品種、特に「佐藤錦」の生産量に影響が出たため、前年と比べてピークの山は緩やかだった。後続品種「紅秀峰」は「佐藤錦」ほどの影響はなかったものの、だらだらとした出回りに。また、終盤産地の秋田産についても前年度の雪害で枝折れ被害が残り、入荷は平年を下回った。結果、露地物の出回り期間は絶対量不足から、中元ギフトの注文にも歯止めがかかり、販売振るわず。価格はほぼ前年並み~若干高で落ち着く。

いちご類

いちご類は、各産地とも2020年の遅れ分が年明けにずれ込み、1月入荷量は前年比5割増、平年比でも2割増と大幅増となった。入荷増を反映し、価格は前年を下回ったが増量幅に対して8割レベルと善戦した。2月~4月まで気温高で前進出荷傾向となり、入荷量は前年以上を維持。業務需要は弱く、小玉果の発生も多かったが、価格は前年の1割前後の範囲に収まり、販売結果は悪くなかった。シーズン終盤の5月は年明けからの前進出荷のため、切り上がりが早まり入荷減少。夏秋期では7月の北海道・長野産入荷量は前年少なかったが、平年並みに回復した。2021年産いちご栃木・静岡産は10月中旬から出荷始まり、暖秋のためシーズン当初から潤沢な量が出回った。九州産は例年通り11月中旬からスタートしたが低温・曇天の影響で数量伸びず。12月中旬以降は全国的な低温により各産地とも入荷停滞し、クリスマス需要期の絶対量不足から、下旬は価格高騰が見られた。今シーズンより佐賀産いちごは9割以上が「いちごさん」に切り替わった。

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