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2022年2月1日

2021年の動き<野菜編>

東京都中央卸売市場2021年野菜取扱実績(速報値)は、数量1,447,200t(前年比97%)、金額347,784百万円(94%)、価格240円(97%)。 2021年1月は関東にて降水量が少なく、だいこん・キャベツ・ねぎ・レタス等、多品目で低温と干ばつによる生育停滞が起きた。2月は全国的に気温高く降雨もあったため生育が停滞していた品目は回復傾向に。葉物類は潤沢な出回りとなったが、ねぎは干ばつの影響が残り数量少なく、輸入物も中国産が不作なため高値が続いた。ばれいしょ類は北海道産の貯蔵量が少なく、鹿児島産も天候不良で掘取りが停滞して高値となった。3月も温暖かつ適度に降雨あり葉物類を中心に生育順調、はくさい・キャベツ・ほうれんそう・レタスでの安値が目立った。4月も同様に推移したが朝晩に冷え込む日もあり、ほうれんそうでは数量減から価格が高まる場面もあった。5月はGW前には全体的に引合いが高まったものの、連休後は引合い落ち着き相場の下がる品目が多かった。ばれいしょ類は高値が続いていたが、長崎産の数量回復や静岡産が出始め増量したことから相場下落。6月は中旬に関東が入梅、適度な降雨と気温があり多品目で順調な出荷となる。7月中旬には関東が梅雨明けし、全国的に晴天・高気温に。野菜全般に安値基調が続いていたが、8月中旬からは台風の襲来や全国的な大雨により状況が一変。きゅうり・トマトで数量減から相場が高まったほか、長野産のはくさいやレタスでは病害が発生する等して数量大幅減となり相場急騰。北海道産のばれいしょ類・たまねぎは高温・干ばつにより不作となった。これにより9月の単価は285円と年間最高値が出現。9月下旬から10月上旬にかけては温暖な気候となる中、だいこん・にんじん・キャベツ・レタス等の主産地が関東に移行。本年は台風被害もなく潤沢な出回りとなり、野菜総体の価格は下落傾向に。10月の単価211円は前月と売って変わって年間最安値となった。11月も多品目で順調出荷となり安値基調が続くもトマトは熊本産が数量伸び悩み高値推移。12月はだいこんが千葉・神奈川産で出荷調整がなされるも数量は十分。他にもはくさい・きゃべつ・ねぎが潤沢な出回りで安値となる中で2021年が幕を閉じた。

月ごとの概況

各月のまとめを掲載しています。
品目別の詳細な状況はPDFファイルをご覧ください。また、参考資料として主要品目の月別実績(入荷数量・価格)表もございます。

品目別販売状況(月別)一覧へ
主要品目 月別実績へ

1月 全国の気温は上旬低く、下旬高め。東日本日本海側は記録的大雪となった。

全国的に気温は上旬が低く、下旬には高くなり、気温変化が大きい月となった。東日本日本海側では上旬を中心に大雪ともなった。関東では降水量が少なく、多くの品目で干ばつや低温の影響から生育停滞が起きた。下旬になると降雨あり、気温も上昇して生育が回復し、増量傾向となった。1月の野菜総入荷量は113,571t(前年比95%)で平年よりわずかに少ない。価格249円(106%)は平年よりわずかに安。金額は28,254百万円(101%)で平年を2割近く下回った。

1月品目別概況(PDFファイル:217KB)

2月 全国的に気温高。東日本太平洋側・西日本日本海側は記録的多照。

全国的に気温が高く日照時間も多かったが降雨もしばしばあり、順調な生育から葉物類での潤沢入荷が目立つ月となった。2月の野菜総入荷量は114,660t(前年比94%)で平年並み。価格232円(107%)は平年より1割近く安。金額は26,599百万円(101%)で平年を1割下回った。

2月品目別概況(PDFファイル:223KB)

3月 北・東・西日本は記録的気温高。太平洋側は降水量が多く、西日本日本海側は多照。

3月は温暖かつ適度に降雨もあり、葉物類を中心に生育順調な品目が多かった。3月の野菜総入荷量は121,378t(前年比98%)で平年よりわずかに少ない。価格238円(98%)は平年よりやや安。金額は28,948百万円(96%)で平年を1割下回った。

3月品目別概況(PDFファイル:221KB)

4月 北日本の降水量はかなり多いが、全国的に日照時間は多く、気温高で推移した。

全国的に気温が高く日照量も多くなったが、朝晩に冷え込む日もあり、ほうれんそうの数量減少などが起きた。4月の野菜総入荷量は128,101t(前年比103%)で平年並み。価格235円(91%)は平年よりやや安。金額は30,142百万円(94%)で平年をやや下回った。

4月品目別概況(PDFファイル:209KB)

5月 西日本の降水量はかなり多く、北・東日本日本海側の日照時間はかなり少なかった。

5月は天候が崩れる日が多く、朝晩の低気温が目立った。販売面ではGW前には引合い強まる感はあったものの、連休後には引合い落ち着き、相場の下がる品目が多かった。5月の野菜総入荷量は122,610t(前年比96%)で平年より1割少なく、価格251円(102%)は平年よりやや高い。金額は30,743百万円(98%)で平年をやや下回った。

5月品目別概況(PDFファイル:213KB)

6月 全国的に気温が高く、北・東・西日本では、降水量が少なく日照時間が多かった。

九州・四国では5月中旬に梅雨入りしていたが、関東は6月14日の入梅で平年より1週間ほど遅かった。6月中の天候は大きくは崩れず、各地で断続的に雨が降る程度だった。この適度な降雨と気温により、中旬から多品目で順調出荷となり荷動き鈍化。月初こそ野菜全体単価は高水準だったが中旬からの価格下落が顕著であった。6月の野菜総入荷量は116,676t(前年比93%)で平年よりやや少なく、価格261円(98%)は平年よりわずかに高い。金額は30,499百万円(92%)で平年をやや下回った。

6月品目別概況(PDFファイル:226KB)

7月 北日本は気温高で少雨も、東日本太平洋側は降水量が多かった。

九州南部では9~10日にかけて記録的な大雨が降り住宅浸水や圃場潅水に見舞われたが、11日には平年より早い梅雨明けとなった。関東でも上旬は曇雨天の日が多く、葉物野菜を中心に生育や収穫の遅延が出始めた。16日には関東でも平年より3日早い梅雨明けとなり、以降は全国的に晴天・高気温の日が多かった。7月の野菜総入荷量は121,426t(前年比106%)で平年並み、価格230円(75%)は平年の1割安。金額は27,966百万円(80%)で平年を1割近く下回った。

7月品目別概況(PDFファイル:219KB)

8月 西日本は降水量が記録的に多く、気温低下。北日本日本海側では少雨。

8月は月初まで野菜全般に荷余り感あり安値基調となっていたが、中旬から台風の襲来や全国的な大雨に見舞われ様相が一変。旧盆の連休後は胡瓜やなす、トマトなど果菜類を中心に入荷量が減少し相場が急騰。下旬は長野産のレタスや白菜にて大雨の影響からイタミや病害が出て数量減となり相場は連日の上昇となった。8月の野菜総入荷量は117,907t(前年比99%)で平年より若干少なく、価格242円(79%)は平年より1割近く安い。金額は28,550百万円(78%)で平年を1割以上、下回った。

8月品目別概況(PDFファイル:226KB)

9月 北日本日本海側は多照、少雨。東日本太平洋側と西日本は寡照だった。

9月は上旬から気温が大きく下がり、量販店では秋商材への移行が進んだ。この気温低下で関東近県産の果菜類や葉菜類で生育が伸び悩む面もあった。中旬には台風14号が九州から東海地域へ進むも主要品目への被害はなし。彼岸連休前までは野菜全般に不足感や連休前の需要増から高値推移となったが、連休後は好天での出回り量増加や高値反動による需要減退で多くの品目で相場が下落した。9月末の台風16号も大きな被害はなかった。9月の野菜総入荷量は115,662t(前年比96%)で平年より1割近く少なく、価格285円(114%)は平年より1割高い。金額は32,964百万円(109%)で平年並み。

9月品目別概況(PDFファイル:234KB)

10月 全国的に月の前半は高温、後半は低温。北日本日本海側は多雨、西日本は多照。

10月上旬までは比較的温暖な気候で、野菜全般に潤沢な出回りとなったが、中旬からは気温が低下。ほうれん草や胡瓜、トマト等の葉菜・果菜類で生育鈍化して入荷量が減少した。気温低下で鍋物需要が喚起されて菌茸類や長ねぎ、白菜の引合いも出始めたがいずれも数量面では十分であった。月初に台風16号が関東沿岸部に接近したが大きな被害はなし。10月の野菜総入荷量は129,026t(前年比94%)で平年よりやや少なく、価格211円(86%)は平年より1割以上安い。金額は27,212百万円(81%)で平年を2割近く下回った。

10月品目別概況(PDFファイル:226KB)

11月 北日本でかなりの気温高、北日本・東日本日本海側と西日本太平洋側で多雨。

11月は温暖かつ適度な降雨もあり、多くの品目で生育は順調に進んだ。本年は大きな台風被害もなかったことで、キャベツや大根、人参、白菜、ほうれん草など関東産中心の品目は潤沢な入荷により安値基調となった。反面、トマトは熊本産が昼夜の温度差から裂果が多く数量伸び悩み高値推移。馬鈴薯・玉ねぎは北海道産が不作のため高値が続いた。11月の野菜総入荷量は123,074t(前年比99%)で平年並み、価格215円(103%)は平年より1割以上安い。金額は26,444百万円(102%)で平年を1割以上、下回った。

11月品目別概況(PDFファイル:206KB)

12月 寒暖の変動が大きく、日本海側を中心に大雪。西日本太平洋側は多照だった。

12月は多くの品目で生育は順調に推移した。大根は千葉・神奈川産で出荷調整がなされるも全体量は潤沢。白菜やキャベツも潤沢な出回りが続いた。馬鈴薯・玉ねぎは北海道産が不作のため引続き高値推移。また、下旬は年末需要により多くの品目で相場は上昇傾向となった。12月の野菜総入荷量は123,111t(前年比96%)で平年よりやや少なく、価格239円(113%)は突出して安値だった前年を上回るも平年よりはやや安い。金額は29,467百万円(109%)で平年を1割下回った。

12月品目別概況(PDFファイル:207KB)

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■品目別販売状況(月別)一覧

クリックすると、その月の品目ごとの概況をご覧いただけます。

1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月

■主要品目 月別実績

主要品目の月別実績(入荷数量・価格)および前年対比・平年対比一覧です。画像をクリックするとPDFファイル(203KB)が開きます。

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特徴的だった品目

クリックすると、その月の品目ごとの概況をご覧いただけます。

レタス はくさい ばれいしょ類 たまねぎ

レタス類

東京都中央卸売市場2021年レタス(玉)取扱実績(速報値)数量72,192t(前年比100%)、金額10,635百万円(99%)、価格147円(99%)。静岡・兵庫産の冬作を中心に、1月は低温干ばつの影響で出荷量は減少したが、緊急事態宣言で業務の荷動きは鈍化。また野菜全般の安値を受けて販売苦戦したものの、価格229円(117%)はほぼ平年並み。茨城産春作はシーズン通して潤沢出荷、後続の群馬・長野産はスタートが早かったことから3~4月の価格は前年・平年比ともに4割程度安。6月には春先の低温の影響を受けた圃場の出荷が始まり、小玉比率は上昇し、価格は121円(126%)。群馬産は降雨後の急激な気温高による病気発生で圃場ロスが目立ったが、長野産は干ばつ解消され8月前半まで大玉比率高めで潤沢に出回る。9月は一転して旧盆以降の長雨と低温絶対量不足となり、価格は141円(260%)、過去5ヵ年の中で最高値を更新した。10月には夏産地が終盤を迎え、茨城産秋冬作が増量。生育順調で11月も大玉中心に出荷が増えた。12月には関東産地から静岡・兵庫産に切り替わり、順調な生育で潤沢な出回りが続いたが、特売需要やクリスマス需要の荷動きも良く、価格は182円(131%)も平年比安だった。

はくさい

東京都中央卸売市場2021年はくさい取扱実績(速報値)数量124,203t(前年比97%)、金額6,708百万円(70%)、価格54円(72%)。年内から潤沢な入荷が続き、2021年は入荷減・単価大幅安でスタートした。3月下旬に入り、茨城産の作型移行の端境で相場は強めの展開となったが、月末になって春作急増し、相場回復に至らなかった。4月中下旬は降雨の影響で入荷減少し、引合い強まったが前年のような漬物特需はなく、入荷前年並みも価格は前年の8割安と価格差が際立った。6月は長野産高冷地物の出遅れから品薄感高まり、価格は2021年に入って初めて前年を若干だが上回った。7月は長野産の出荷調整と天候不順による圃場ロス等で入荷前年を下回るも消費不振で再び相場は低迷。8月は旧盆前後の気温低下で量販店需要が高まり、下旬には相場上向き基調高で9月へつなげた。9月は主力長野産が病害発生で入荷少ない中、量販店需要に加え漬物需要の引合いも強く、価格高騰し前年・平年比でも上回った。10月は入荷前年比減も9月の高値反動もあり価格前年に及ばず。11月以降は茨城産秋冬作が順調に出回った。価格は基調安の前年を上回るも、需要に対して量が多く、平年比安に甘んじた。

ばれいしょ類

東京都中央卸売市場2021年ばれいしょ類取扱実績(速報値)数量78,503t(前年比84%)、金額17,166百万円(116%)、価格219円(138%)。1月は降雪の影響で北海道では輸送が乱れ、九州産は収穫が停滞して入荷量増えず、不足感あり単価上昇した。2~3月、北海道産は前年の収量減と出荷進度の前倒しにより貯蔵量少なく出回り量減、また鹿児島産は降雨等の天候不良を受け出荷量減少、数量が不十分の状態が続いた。4月に入ると北海道の出荷はほぼ終了、鹿児島産は引き続き数量少なく前年を1割程下回った。引合いは依然強く、ばれいしょの価格は301円(191%)と大幅高。5月は長崎・静岡産が良好な生育により出荷量増加。大玉の比率が高く、小玉に発注が集中した。6月に入っても出荷は概ね順調であり、これまでの高値と気温上昇により需要減退し、相場は軟化した。7月は関東産地が始まったが梅雨で不安定な出回り。後半以降北海道産が出荷進むにつれて、主に大玉の引合い強まる。8月から関東産地が終わり北海道産メインになるが、夏期の高温・干ばつの影響を受け、小玉傾向で出荷量少なく引合い強まった。北海道産の天候不良の影響は大きく、8月~12月の入荷量は前年を大幅に下回り前年比8割、価格は190円(140%)。12月に長崎産が入荷開始したが、こちらも秋頃の干ばつの影響で前年比6割程度の入荷量。価格は241円(160%)となった。

たまねぎ

東京都中央卸売市場2021年たまねぎ取扱実績(速報値)数量119,315t(前年比93%)、金額13,467百万円(127%)。1月の北海道産は順調な出回り。豊作基調の静岡産も出始め、前年同様の落ち着いた価格で推移した。2月に入ると、静岡産は降雨の影響で出荷減。不足感が続き、引合い強まった。3月に入り佐賀産など九州産地が出回り、後半になるにつれて荷動きは鈍化した。4月は佐賀産が前進傾向で順調な出回り。新型コロナ禍で業務加工需要が低調で安かった前年より価格は上回るが、平年比では下回る価格79円(134%)。5月になり兵庫産の入荷が開始したが、佐賀産が降雨の影響で激減し相場上昇とともに小玉の引合いが強まった。入荷量は全体で7.5割に留まり、価格は101円(215%)に。6月は佐賀・兵庫産ともに順調な出回りであったが、7月に入り不安定な入荷で不足感が高まり、若干引合い強まる。8月は北海道産が入荷始まったが、夏期の高温・干ばつの影響で小玉傾向、大玉中心に需要が高まった。9~10月も同様の状態が続いた。高値により引合い弱まる場面はあるも、北海道産の作柄不良の影響は大きく、11月は12月の数量確保に向けさらに価格上昇。12月は年末年始の在庫確保の動きが強まり、さらに価格が上向いた。12月の単価は182円(239%)となった。

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