3月は気温上昇し、中旬には25度の夏日を記録したが、下旬に入ると一転して寒の戻りとなり、気温は真冬並みまで低下、場所によっては降雪も見られた。
果実全体の入荷量は前年比90%、価格565円(前年比111%)。販売の中心はりんご・いちご・かんきつ類。かんきつ類は「不知火」が多く、「清見」「せとか」と続くが、低温干ばつを受けて品質重視の選果が進んだため、品種展開は早かった。果実全体量の多くを占めるりんごは前年に比べ少ない出回り。いちごは各産地3番果のピークに入り、年間で一番の入荷量となった。
みかん類は入荷78%、価格433円(109%)。静岡産特選品、香川・徳島産の貯蔵品のみの販売。静岡三ヶ日産は本年から量目が変わり、ハーフ箱は4kgに変更した。みかん類全体で平年に比べ数量減、出荷前進化のため販売環境は悪くなく、荷動きの良い状態が続いた。
かんきつ類は入荷91%、価格352円(104%)。「いよかん」「ポンカン」などは切り上がりが早く、後続の露地物への切り替わりは早かった。デコポン(不知火)は前年に比べ体質が弱く、下等級品の比率が高かった。
りんご類は入荷74%、価格373円(143%)。青森産貯蔵品のみの出回り。全体の入庫量は前年に比べ少なく、市場流通量も減少。主力「ふじ」はCA品が中旬から始まったが、「ジョナゴールド」はCA品が終了し、有袋物が始まった。
いちご類は入荷114%、価格円1,243(91%)。各地、1番果~2番果の出荷にばらつきがあったが、関東産は2番果~3番果は連続性があり、3月は谷間なく出回る。九州産地も3月中旬には3番果のピークを迎えた。増量から引合いは弱く荷動きは鈍化、相場は下げに転じたものの、回復できず販売苦戦が続く。
メロン類は入荷106%、価格1,325円(102%)。例年通り少ない月ではあるが、コロナ禍による業務需要の低迷や燃油費高騰により数量は平年比で減少。少なかった前年とほぼ変わらない入荷となった。
すいか類は入荷92%、価格428円(104%)。1月~2月の冷え込みで生育は緩やかになり、熊本産大玉すいかは小玉果が多かった。3月は量販店中心にブロックカット販売の展開となった。小玉すいかについては、関東産中心に天候良好を受け、生育は若干前進した。
長崎産「ハウスびわ」は前年より2週間生育遅れ、干ばつで平年に比べ小粒の仕上がりのため入荷量は前年の3割。宮崎産「ハウスマンゴー」は3月14日より販売開始。前進した前年より生育進度が1週間程遅く少なかったものの、平年並みの出回り。