5月は上旬まで曇雨天の日が多く、生育や収穫が滞る傾向が見られた。5月連休後は例年の傾向から他品目で荷余りすると思われたが、曇雨天の影響から入荷量は予想外に落ち着いており、価格は堅調に推移。5月の野菜総入荷量は119,593t(前年比98%)で平年より1割少なく、価格273円(109%)は平年を1割以上に上回った。金額は32,642百万円(106%)で平年並み。
だいこんは千葉産が最盛期を過ぎ減少。茨城産も落ち着いた出回りで中旬の相場は上昇を辿った。下旬は青森・北海道産の入荷が始まったことや、高値の反動もあり荷動き鈍化して相場反落。総入荷量は平年より1割以上少なく、価格116円(142%)は平年を3割上回った。にんじんは徳島産が安定入荷する中、千葉産が漸増。徳島産が降雨により掘り取りが停滞する場面はあるも月後半は徳島産が終盤に入るも残量あり全体量は充分。総入荷量は平年より1割近く少なかったが、価格は135円(94%)と平年並み。
はくさいは上旬には茨城産が出方の境目で減少して引合い強く相場上昇。中旬から長野産が出荷開始。全体量は多くなかったが気温高く需要は低い。下旬は群馬産も出始め数量充分であった。総入荷量は平年より1割以上少なく、価格74円(157%)は平年を2割近く上回った。キャベツは上旬に神奈川産と千葉産との端境で全体量少なく、愛知産の相場が高騰した。中旬は高値により相場反落。下旬は価格がこなれたことや神奈川産が終盤を迎えて減少したことで荷動き良好。総入荷量は平年並み、価格99円(155%)は平年を1割以上に上回った。ほうれんそうは群馬・茨城産を中心に月前半は順調な出荷。後半は関東平場産地が最盛期を過ぎ全体量落ち着く。総入荷量は平年より1割少なかった。月を通して荷動き良好で、価格483円(130%)は平年を2割近く上回った。ねぎは千葉・埼玉・茨城産で春物が減少して夏物が増量傾向に。荷動きは月を通して比較的良好だった。総入荷量は平年並み。価格も408円(99%)と平年並みだった。レタスは茨城・兵庫産が盛期を過ぎて出方が落ち着き、後続の群馬・長野産が増量。月前半は端境となり不足感から相場上昇。後半は群馬・長野産の増量で反落。総入荷量は平年より1割少なく、価格136円(101%)は平年並みだった。
きゅうりは群馬・千葉・埼玉産を中心に、月前半は天候不順で多くはない出回り。後半は天候回復して順調入荷し、福島産も増え始めた。総入荷量は平年より1割少なく、荷動きは比較的良好で、価格265円(103%)は平年を1割上回った。なす類は高知・福岡産が月前半は天候不順のため多くはない出回りで荷動き良好。後半は天候回復して増量し荷動き鈍化。総入荷量は平年より1割少なく、価格398円(101%)は平年をやや上回った。トマトは熊本・愛知・栃木産中心の出回りで、月前半は天候不順により多くはない出回り。後半は天候回復で増量した。下旬は千葉・北海道産が漸増。総入荷量は平年より1割以上に少なかった。荷動きは比較的良好で、価格316円(112%)は平年を1割以上に上回った。ピーマンは茨城・高知・宮崎産の出回りで、中旬はそれまで天候不順が続いた影響で各地数量少なく、引合い強まった。下旬は宮崎・高知産が盛期過ぎ減少する中、茨城産が増量して荷動き鈍化。総入荷量は平年より1割少なく、価格475円(120%)は平年を2割以上に上回った。
ばれいしょ類は鹿児島・長崎産が順調出荷。中旬にはそれまでの天候不順で遅れていた掘り取り・出荷が一気に進み数量潤沢、荷動きは鈍化した。下旬は鹿児島産が終了、静岡産が漸増。総入荷量は平年よりやや少なかったが需要に対して充分な量があり、価格164円(57%)は平年を1割下回った。たまねぎは兵庫産が増量傾向となり、佐賀産が盛期過ぎ減少。全体量の増加と前月の高騰の反動で荷動きは鈍化した。ただ総入荷量は平年より2割以上少なく、相場は下落するも極端には下がらなかったため、価格は257円(254%)と平年の3倍となる水準だった。
たまねぎは国産が不作なことから、中国やニュージーランド産が前年比で大幅増。キャベツは国産品の数量がさほど多くなかったため、中国産が前年比で大幅増。馬鈴薯は北海道産が高温干ばつで不作だったことから米国産が前年比で大幅増。一方、ごぼうはコロナ禍で外食需要が減退していたことに加え、前年の中国産が豊作だったことから、中国産を中心に前年比で大幅減。かぼちゃはニュージーランド・メキシコ産を中心に前年比大幅減。ジャンボピーマンはコロナ禍で外食需要が回復しきらなかったことや、円安の背景、船便でのコンテナ不足により前年比減。