8月は上中旬に北海道・東北・北陸地方で雨が多く、地域によっては圃場浸水などの被害が発生した。これにより東北や北海道産の胡瓜やトマト、ねぎが減少するなどした。一方、関東地方では大きな雨の被害はなく、キャベツ・レタスは概ね順調な出回りとなった。8月の野菜総入荷量は113,025t(前年比96%)で平年をやや下回り、価格259円(107%)は平年並みだった。金額は29,297百万円(103%)で平年を1割近く下回った。
だいこんは北海道・青森産がこれまでの天候不順により作柄悪く数量少なめ。価格は堅調に推移したが高値のため荷動きはさほど良くなかった。総入荷量は平年より1割以上に少なく、価格138円(148%)は平年を3割以上に上回った。にんじんは青森産が上旬でほぼ終了。北海道産が増量傾向となり数量十分。月前半は相場下落も、後半は北海道産が大雨を受けて品質低下。数量減により相場は上向いた。総入荷量は平年より2割近く少なく、価格144円(110%)は平年を2割以上に上回った。
はくさいは長野産が数量十分で安値のため出荷調整がなされるも、荷動きは良くない状況が続いた。月末は季節の変わり目で量販店需要が幾分か回復するも、業務需要は低調なため相場は安値基調。総入荷量は平年よりやや少なく、価格59円(73%)は平年を4割以上に下回った。キャベツは岩手産が降雨多く品質低下もあり数量が伸び悩んだが、群馬・長野産は生育順調で十分な出回り。荷動きは鈍い場面が多く、総入荷量は平年並みながら価格69円(92%)は平年を3割以上に下回った。ほうれんそうは群馬・茨城産を中心として播種期に高温や降雨を受けており少なめな出回りとなったが、高単価帯のため荷動きは緩慢。下旬は気温が落ち着き、出荷は徐々に回復した。総入荷量は平年をわずかに下回り、価格850円(109%)は平年並み。ねぎは茨城産が生育順調も、上旬に東北産が大雨を受けて減少。中旬は旧盆の出荷休みもあり全体量少なく不足感高まり相場は大幅上昇。下旬は天候回復により徐々に出荷量増加し、高値反動もあって荷動き鈍化して相場は下落した。総入荷量は平年より1割以上に少なく、価格403円(135%)は平年を2割上回った。レタスは群馬・長野産中心の出回り。高温・干ばつにより数量伸び悩むも、中旬以降は高冷地から準高冷地に移り始め全体量はやや回復。荷動きは鈍めの場面が多かった。総入荷量は平年よりやや多く、価格113円(80%)は平年を2割以上に下回った。
きゅうりは東北産が出荷ピーク期となるも大雨を受けて少ない出回り。引合い強まるも相場が上がったことで荷動きは鈍化。下旬は東北産がピーク過ぎるも関東産が漸増。総入荷量は平年よりわずかに少なく、価格270円(87%)は平年を1割以上に下回った。なす類は群馬・茨城産が天候不順から不安定な出回り。入荷は増減を繰り返し、荷動きもそれにともなった流れであった。総入荷量は平年よりやや少なく、価格270円(87%)は平年を1割以上に下回った。トマトは青森産が月初の大雨による圃場冠水があり月を通して数量少ない。月後半は関東産が漸増するも全体量は少ないままで相場は上昇傾向となった。総入荷量は平年より1割少なく、価格401円(128%)は平年を2割近く上回った。ピーマンは福島・岩手産が上旬の大雨を受けて中旬まで少ない出回り。相場も上向いたが下旬は大雨の影響から脱して順調入荷し荷動き鈍化。総入荷量は平年並み、価格398円(129%)は平年をわずかに下回った。
ばれいしょ類は上旬で静岡産がほぼ終了。北海道産は降雨により掘り取りが進まず少ない入荷。下旬は掘り取りが再開されるも風乾に時間がかかるため多くない出回り。気温高く需要は低いが全体量少なく引合いがあった。総入荷量は平年より2割以上に少なく、価格142円(88%)は平年並み。たまねぎは高値により兵庫・佐賀産で前進出荷が見られ産地残量少ない形に。後続の北海道産が漸増するも月前半は全体量少なく引合いが強かった。後半は北海道産が増量するも、雨を受けて品質低下が見られ、荷動きは鈍かった。総入荷量は平年より1割近く少なく、価格137円(135%)と平年を3割以上に上回った。
【輸入野菜】馬鈴薯は国産品が天候不順で掘り取りが進まなかったことや品質低下による原料不足で、米国産の輸入量が前年より大幅増。玉ねぎは国産品が前進出荷により産地によって少なかったことにより、中国産を中心に前年より大幅増。にんにくは需要増があり中国産を中心に前年比大幅増。一方、ジャンボピーマンは円安で輸入コストが増加した中、韓国産が大雨の影響で品薄傾向だったことから前年比で大幅減。人参は国産が天候不順で品薄なことから輸入品の引合いは強かったが、中国産の輸入量は前年比でかなりの減。ごぼうは円安で輸入コストが増加した中、国産の価格が安値だったことから、中国産を中心に前年比でやや減。