6月に入ると、急激な気温上昇を受け大気が不安定になり、2日・3日の午後に東北や関東の広範囲で強い雨、特に北関東では大粒の雹が降り、農産物が被害を受けた。関東地方の梅雨入りは6月6日と平年より早く、九州南部地方より早かったが、27日に九州南部・東海・関東地方は梅雨明けし、関東甲信では過去最短の記録を更新、さらに各地では記録的な暑さとなった。
果実全体の入荷量は前年比98%、価格545円(前年比109%)。ハウス物から露地物の販売に切り替わる。本年の山形産おうとうは順調な生育が続き、少なかった前年以上の出荷量になった。山梨産のもも・すももは生育が遅れていたが、気温上昇とともに前年並みに回復。メロン類・すいか類は結実期の天候に恵まれず、出荷量は前年に比べ少なかった。輸入果実の入荷も少ないものの、国産についても過去5か年平均で入荷量は最も少なく、価格が高いことから末端の動きは鈍かった。
ハウスみかんは入荷107%、価格1,107円(103%)。天候の影響もあり、当初計画よりも出荷ペースは遅れ気味。月の前半は数量を抑えた出荷だったが、後半からは7月のギフト需要に向けて増量した。6月下旬からは熊本産「グリーンハウスみかん」の販売開始。
りんご類は入荷77%、価格469円(132%)。青森県産の貯蔵量が前年比70%と少なく、高値基調は続く。系統の「有袋ふじ」は、「王林」は切り上がり、「シナノゴールド」も前年に比べ少なかった。
びわは入荷108%、価格1,557円(105%)。長崎産は上旬に終了。後続の千葉・愛媛産については不作年のため数量は伸び悩み、引合いは強まった。
おうとうは入荷143%、価格2,294円(90%)。雹害を受けた前年に比べ、山形産は一昨年並みまで数量は回復した。下旬に後続の「紅秀峰」も増量したが、気温高のため露地物「佐藤錦」の切り上がりは早まる。山梨産は4月上旬の満開期の高温で結実不良となり、数量は前年の6割減。秋田産も下旬から販売開始したが、4月の降雪・霜害による結実不良のため入荷は大幅減となった。数量減だった前年よりも引合いは強いものの、入荷量が多いため価格は前年より下回る。
もも類は入荷89%、価格888円(105%)。ハウス物中心で輸出の荷動きは活発。各産地開花は前年より1週間遅れだったが、平年比では早い展開。6月下旬に「日川白鳳」はピークを迎えた。着果も良く豊作傾向だが、気温高を受けて小玉比率が高い。入荷量は前年比減も、平年比では1割増。
すもも類は入荷86%、価格772円(102%)。九州産の出荷が5月後半から始まり、6月に入ると和歌山・山梨産「大石早生」が始まった。和歌山・福岡産は着果不良のため小玉果多く数量減、山梨産はもも同様に開花が前年に比べ遅かったが、着果良好で豊作基調も生産者減少を受けて入荷量は前年比減。
ぶどう類は入荷100%、価格2,357円(108%)。各地「デラウェア」「ピオーネ」「種無し巨峰」の作付は減少したが、「シャインマスカット」は増加。「デラウェア」については、6月中下旬に島根産がピークを迎え、山形産も前年より遅れて入荷開始となった。岡山産「アレキサンドリア」は6月1日から始まった。ぶどう類は百貨店や輸出等の販売が中心だったが、中旬以降の増量にともない、販売拡大。
メロン類は入荷91%、価格536円(113%)。露地物中心だが、ピークらしいピークもなく平坦な入荷が続く。茨城産も6月上旬には9割が終了し、生育期の気温低下から小玉下等級比率が高かった。千葉産「タカミメロン」も1週間遅れており、ピークも7月にずれて入荷減。赤肉は品薄のため引合い強い。
すいか類は入荷107%、価格264円(105%)。大玉は熊本産の入荷が6月下旬まで続く。6月初旬より鳥取産がスタート、天候も良く、内容は良好。千葉産についてはピーク時期になっても少ない出回り、玉流れも小さく入荷減。小玉については関東産を中心に潤沢入荷。猛暑が続き、すいか全体の引合いは強い。
国産マンゴーは入荷80%、価格3,884円(108%)。宮崎産は平年より2週間程度生育遅れ、数量少なく、曇天日照不足から炭疽病が散見された。沖縄産加温物が6月中旬から初荷を迎え、豊作だった前年に比べ大幅減だが、平年比では若干減に留まる。