10月の気温は上下を繰り返しながら下がるものの、平年に比べ気温は高く、連休には気温が下がり、11月や12月並みの気温を観測した。
果実全体の入荷量は前年比111%、価格383円(前年比97%)。10月に入り赤色や黄色といった秋を感じさせる果実の品種も多く、みかん産地の出荷も増え始めた。りんごは早生種に変わり、本格的に出荷が始まる。柿はたねなし柿が主体となった販売になり、「早生富有柿」は中旬頃から徐々に増え始めた。ぶどうは中旬までは多くあるものの、下旬からは減少へ向かう。10月中旬には、栃木から早出し生産者によるいちごの出荷が始まった。
みかん類は、入荷93%、価格246円(117%)。極早生みかんが各産地順次スタート。各地裏年の小玉傾向に加え、台風によるキズ果多発による正品率の低下で数量は前年比減。福岡産「北原早生」は中下旬から開始、和歌山産は出遅れており、極早生「ゆら早生」のピークが下旬にずれ込んだ。入荷量は前年に比べ若干少ないものの、荷動きは鈍い。
りんご類は、入荷117%、価格325円(96%)。10月上旬に「サンつがる」の販売が終了し、連休前から「早生ふじ」中心の販売。青森産は「早生ふじ」が中旬にピークを迎え、「トキ」も併行して入荷。長野産については「秋映」のピークが中旬で終盤となり、「シナノスイート」に移行した。山形産は一部雹害があったものの、生育は概ね順調に推移しており、大玉の仕上がり。入荷量が少なく高値基調で推移した前年に比べ、本年度は40玉中心に動き順調な販売だったが大玉はやや鈍化した。
日本なし類は、入荷166%、価格346円(80%)。前進出荷だった前年に比べペースが遅く、10月の入荷量は多い。晩生種中心の販売「南水」は漸減、「にっこり」は月末まで出回る。貯蔵性が高い品種が中心のためだらだらとした出回りで、気温低下とともに引合いは弱まった。
西洋なし類は、入荷127%、価格388円(89%)。10月上旬より長野産「ラ・フランス」、北海道産「オーロラ」、山形産「メロウリッチ」「コミス」が入荷開始。山形産は凍霜害のあった前年に比べ豊作基調にあり、総体の入荷は前年を上回る。
かき類は、入荷128%、価格272円(89%)。9月は残暑となり着色は鈍いが、前年同様に「たねなし柿」は前進出荷傾向。9月の出荷量は計画に対し少なく、10月に入り増量し和歌山産は出荷ピークを迎える。また奈良産は上旬から増量期に入る。「西村早生」は上旬で終了となり、「早秋」「大秋」の販売に。中旬からは愛知産「次郎柿」岐阜産「早生富有柿」の販売も始まった。季節は秋めいてきたが、引合いは弱く、荷動きは鈍化。
ぶどう類は、入荷104%、価格1,522円(93%)。「デラウェア」は中旬で終了し、「シャインマスカット」が販売中心に。黒系ぶどうは「巨峰」「ピオーネ」となるが、長野産「巨峰」の出荷量は前年に比べ少なく、岡山産「ピオーネ」は前年に比べ多いものの平年比では少ない。大房系は玉張りが弱く、房が小ぶりなためパック比率が平年より高い。「シャインマスカット」のパックな引合いが弱く前年比安。「巨峰」「ピオーネ」も同様の理由からコンテナは前年に比べると若干高。
くりは、入荷122%、価格915円(122%)。茨城・熊本産ともに開花時から結実までの天候不良を受けて、数量は少ないものの、肥大状況は良く大玉の仕上がり。前進出荷で少なく、小玉傾向だった前年に比べ重量は多かったが、加工業務需要のひっ迫から引合いが強く、価格高で推移。
いちご類は、入荷56%、価格3,394円(129%)。栃木産の早場産地では10月中旬から出荷開始したが、入荷のペースは緩やか。「とちおとめ」から「とちあいか」への転作も進む。生育ペース早く前進出荷だった前年に比べ、気温低下が早いことから各地の出だしは遅かった。
メロン類は、入荷115%、価格609円(100%)。アールスメロンは茨城産が終了し、静岡・熊本産が主体となった。中旬頃から単価が下がる気配はあったが、品質不良で上位等級が少ないため若干の下げで相場は推移した。
文責 東京青果営業管理部 情報課
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